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2019年10月4日

作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)を用いた介入

うつ病と肩関節脱臼を合併し入院した対象者に作業選択意思決定支援ソフト(以下,ADOC)を用いて介入した報告です.

 

※ADOCは作業療法面接のツールであり,95項目の日常生活場面のイラストを参考に,今後対象者の生活に必要と思われる作業場面が描かれたイラストを対象者とOTRそれぞれが選択し,協議しながら目標設定を行うiPad(Apple社)用アプリケーションである.意味のある作業の想起・表出を支援することや,対象者の主体的な参加を促進することを目的としており,その臨床的有用性が報告されています.

うつ病と肩関節脱臼を合併した患者さんですが,介入当初は非常に気持ちが沈んでおり,先のことを考えられない状態でしたが,ADOCを使ってインタビューをしていくうちに,本人の気持ちが徐々に前向きなものに変化しました.

 

初回面接では「先のことは考えられない」「手が治らないと家には帰れない・・・」という語りでした.

 

2回目の面接でADOCを用いたところ,下図のような結果になりました.

食事や買い物など生活を考えられるように変化しました.

その後,順調に心身機能が回復し,3回目の面接では下図のように変化しました.

調理や掃除,以前の役割であった墓参りなど自宅復帰後の生活を考えられるように変化しました.

 

 

この事例は以下の論文で報告しております.

井上忠俊,上城憲司,原口健三,上江洲聖,松尾涼太,中村貴志.身体疾患を合併した精神科入院患者に対する作業に焦点を当てた介入―作業選択意思決定支援ソフト(ADOC)を用いて―.日本臨床作業療法学会.4:87-91,2017

 

作業療法士:井上