認知症の人は転倒しやすいですか?
という質問を受けることがあります.
ここで,「はい」か「いいえ」で答えることは簡単です.
しかし,もし「はい」と答えたときに「その根拠はなんですか?」
とさらに聞かれたとき「ん~・・・」となってしまいます.
というわけで,65歳以上の人を対象に認知機能と歩き方について検討してみました.
調査方法は
を歩いてもらい,その時の重心動揺(ふらつきぐあい)を加速度計を使って測りました.
その結果,認知機能が低下しているほど二重課題歩行がふらつくというものでした.
普通歩行ではふらつかないが,二重課題歩行でふらつくのは,二つの行為を同時に行うのが苦手で,こういう人は認知機能が低下しているということでした.
つまり,認知機能が低下している人(経度認知障害や認知症)は何かしながらあるくと転びやすいのではないか.ということが明らかになりました.
この取り組みは下記の論文で報告しています.
井上忠俊,上城憲司,原口健三,鈴木明宏,納戸美佐子,中村貴志.地域在住高齢者における認知機能と歩行の変動性を含めた生活機能との関連の検討.日本臨床作業療法研究.4.70-75.2017.
https://kenkyuukai.m3.com/journal/journal_contents.asp?j_type=0&id=2566&co_id=43936&s_id=848&file=1
作業療法士:井上