「あの人ニンチだから」
「ニンチの人でしょ?」
「ニンチ進んじゃったね」
「ニンチがあるから」
良く聞く言葉です.なぜか福祉現場で働く人は認知症をニンチと略す場面を良く耳にします.
しかし,認知症をニンチと呼んではいけないと思います.なぜなら・・・
言われて傷つく人がいるから
これに尽きます.
「みんなの介護」で行われた調査でも,認知症の方,そのご家族の方に質問です.病名を「ニンチ」と略され不快に思ったことはありますか?というアンケートに対して,「ニンチ」と言われたことがある780人中,過半数を占める77%(606人)が「不快に思ったことがある」と答えています.
理由は,「ニンチ」という言葉に
「差別的なニュアンス」を感じる.バカにされていると思う.隠語っぽいと感じる.」
という意見が上がったそうです.
これらの情報はすべてインターネットに掲載されているものです.
つまり,医療・福祉の専門職以外の人である一般の人でも簡単に知りうることができる情報です.
ライセンスを持つプロがネットの情報を知らない.というのであれば,それは専門職の信用を失墜させる行為だと思います.
認知症という名称は2004年に議論され,痴呆という名称から変更されました.
1)侮蔑感を感じさせる表現であること.
2 )痴呆の実態を正確に表していないこと.
3 )早期発見・ 早期診断などの取り組みの支障になる.
上記の内容が指摘されたためです.
こういった名称変更の理由があったにもかかわらず
2004年以前から医療・福祉の現場で働いている人にも「ニンチ」呼ぶ人がいます.
なぜ,認知症という呼称変更がなされたのかを知らないのでしょうか?
インターネットに出ている情報さえ知らないのでしょうか?
認知症の方を「ニンチ」呼ぶ人がいて,その人が医療福祉の現場で働く人であれば,
「圧倒的に勉強不足の人」と思って下さい.
参考資料
https://www.minnanokaigo.com/news/kaigo-text/dementia/no46/
http://www.gc-lifetime.co.jp/column/4
http://www.caresapo.jp/fukushi/blog/wada/2013/10/post_326.html