脳梗塞の後遺症で右上下肢に軽く影響が出ている
「ロープは結べるけど,靴ひもみたいに細いのは難しいね」
「自分ん家の屋根とか,車庫は自分で作ったよ」
もともと,手先が器用だったので,大工ではないが大抵のことはできていた人
脳梗塞後遺症で何年も不自由さとしびれに悩まされてきた
しかし,それを他人に言うことはあまり無く,とても辛抱強い人
廃材を利用して,園芸用のイス作りをお願いしてみた
「サシガネがあると寸法が図りやすいんだよ」
「このノコギリは粗目だね」
「この節のところが硬いから,そこは避けてクギを打とう」
みんなが畑の草むしりのときに使えるイスが出来上がり
「ん~,今回のはあまりうまくいかんかった」
「次はもっとしっかり作らないといかん」
作業療法は
作業で介入し,作業ができるように.
筋力の向上,可動域の改善,歩行速度の向上,これらは目的でなく手段である.
機能が向上しても生活が変わらない.作業の遂行度が変わらない.
満足度が変わらない.そういう機能訓練はいらない.
提供する側も,利用を進める立場の人もしっかり理解するべきだと思う.
作業療法士:井上