認知症者は早期から眼球運動に障害が出現すると言われています.これは「目の動きの速さ」や「見ている時間(注視)」に現れます.目の動きは脳や脳幹で制御されており,認知症が脳神経の疾患であることが関連していると考えられます.
自宅で生活している65歳以上の方を対象に目の動きを調査したところ,認知機能や生活能力が低下している高齢者は目の動きに何らかの不具合が生じていました.
前駆段階に軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI)があり,そのMCIや早期の認知症者を早く見つけることができれば,認知症の予防に役立ちます.
眼の動きを調査することで,認知機能低下者の早期発見に繋がると考えております.
この取り組みは下記の論文で発表しました.
井上忠俊, 上城憲司, 大田尾浩, 納戸美佐子, 原口健三, 中村貴志. (2016). 地域在住高齢者の認知機能状態別における眼球運動と生活機能の比較. 作業療法ジャーナル, 50(12), 1331-1336.
作業療法士:井上