認知症には必発する認知機能障害(記憶障害,見当識障害,判断力障害など)と行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia:BPSD)があります.
行動・心理症状(BPSD)には不安,不穏,興奮,大声,粗暴行為,介護拒否,帰宅願望などがあります.現状では認知機能障害の改善は困難ですが,行動・心理症状(BPSD)は周りの人間のかかわりや,安心する環境設定などにより改善が期待できます.
行動・心理症状(BPSD)は同居するご家族や介助者の負担となることが多く,行動・心理症状(BPSD)のなかでも,不眠や介護抵抗が強いと負担感も強くなってしまうでしょう.
以前,行動・心理症状(BPSD)が激しい特養ホーム入居者に対して,特養ホームの近隣にある公園まで寒緋桜を見に行ったり,庭の園芸活動に参加するなどの外出支援を試みたところ,行動・心理症状(BPSD)が改善したことを経験しました.
この取り組みは下記の論文で発表しております.
1)井上忠俊,上城憲司,藤原和彦,松崎理佐,菅沼一平,納戸美佐子. 介護老人福祉施設入居者に対する外出支援・屋外活動の試み. 臨床作業療法.2013:10(3)298-304.
作業療法士:井上